
・標準マニュアルで全国包括申請の許可をもらったけど、もう少し飛行条件を緩和したいな・・
・マニュアルだけ変更する場合どうすれば良いの?
・標準マニュアルで飛行させる場合のリスクを知りたい!
この記事では、そんなお悩みを解決できます。
この記事の内容
- 距離30m未満で離発着する場合のマニュアル変更ポイント
- 風速5m/s以上で飛行時させる場合のマニュアル変更ポイント
- 学校・病院等の人が多く集まる場所上空で飛行させる場合のマニュアル変更ポイント
- 許可済みの包括申請におけるマニュアル変更方法
この記事は無人航空機飛行マニュアルの内容をすべて理解している方向けです。
安易に申請すると第3者を危険に晒す可能性がありますので、マニュアルの文言そのものズバリは公開していません。
申請時のポイントをお伝えしていますので、ぜひ本記事を参考にご自身で作成してみてください。

この記事を書いたのはこんな人
・ドローンネット社の技術資格<UAS LEVEL2資格>を保有
・オリジナルマニュアルで全国包括申請を取得済み
・毎日室内でトイドローン or 外でドローンを飛ばしてます
・現職はITエンジニア兼ITコンサルティング職
それでは今回もよろしくお願いいたします。
はじめに
今回筆者は、以下3点について無人航空機飛行マニュアルのままではリスクがあると考え、オリジナルマニュアルの作成に至りました。
筆者的に絶対緩和したい条件でした。理由として以下です。
- 首都圏(特に東京・神奈川・千葉)でドローンを飛行させる場合、離発着場所の距離30mを確保できないケースが多々あること。
- 補助者の配置次第では、柔軟に離発着場所を選べること。
また、標準マニュアルのまま飛行させる場合のリスクとして以下を想定しました。
- 現地調査で離発着場所30m内に物件等はなかったが、実際に飛行する際に第3者の車が付近に駐車されていた。
- 30m距離をとっているつもりが、実は30m距離がとれていなかった。
前提ですが、許可の有無に関わらず、地上で風速5m/s出ていたら筆者はドローンを飛ばさないと思います。
風速5m/sは体感的には結構強めの風、普通に飛行困難な状況かと思います。
そういった背景にもかかわらず、筆者がマニュアルを変更した理由は、以下リスク回避のためです。
- 地上では穏やかだが、上空では5m/s以上の風が吹いていた場合
- 飛行直前までは穏やかな風だったが、急に風が強くなった場合
こちらもいずれ仕事で撮影したいと考えていたため、緩和したい条件の一つでした。
これらの場所上空を飛行させる必要がない方は不要かと思います。
(飛行前に十分に注意して現地調査を行えば、リスクは回避可能なため)
人・物件との距離30m未満で離発着する場合
知らずに飛行させてしまうパターンが多いケースかな・・と思います。
ですが、無人航空機飛行マニュアルには、キッチリと以下の記載があります。
人又は物件との距離が 30m以上確保できる離発着場所及び周辺の第三者の立ち入りを制限できる範囲で飛行経路を選定する
無人航空機飛行マニュアルより
業務上、半径30m以内に何もない離発着場所を選定できない場合、
という条件つきで以下内容をマニュアルに加筆しました。
- 飛行距離・飛行高度を制限すること
- 第3者の立入制限をすること
- 事前の現地調査で危険がないことを確認すること
- 第3者が立ち入った場合、飛行を中止すること
風速5m/s以上で飛行させる場合
繰り返しになりますが、筆者は風速5m/sの場合、基本飛行はさせません。
AIR2Sでもかなり揺れ、上空ではもっと風速が強くなるため、墜落等の可能性が上がります。
標準マニュアルには以下の記載があるため、業務上必要不可欠な場合に限ってという条件のもと、リスク回避のために申請しました。
風速5m/s以上の状態では飛行させない。
無人航空機飛行マニュアルより
申請時のポイントは以下です。
- 機体メーカの風速抵抗値の範囲内で飛行させること
- 業務上必要不可欠な場合を除き、原則飛行させないこと
学校・病院等の人が多く集まる場所上空
こちらも標準マニュアルでは禁止されています。
正直このケースは、事前に十分な計画をたててからだと思うので、個別申請でも良い気がしています。
第三者の往来が多い場所や学校、病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近は飛行させない
無人航空機飛行マニュアルより
しっかりとした安全対策を行うことと、飛行させる時間帯等制限することがポイントです。
- 学校や病院から依頼があった場合は飛行させること
- 飛行経路を施設内に限定すること
- 休校や休診日等、第3者の往来が少ない時間帯で飛行させること
- 突風などを考慮し、事前に現地で調査を行うこと
- 第3者の立入制限を行うこと
無人航空機飛行マニュアルの変更申請方法
無人航空機飛行マニュアルが完成したら、DIPSで変更したマニュアルを登録しましょう。
今回は、登録済みの許可申請を修正する形で進めていきます。ちなみに筆者は申請完了までに「7日」かかりました。
まずは「DIPS」へログインします。

「申請書一覧」を選択します。

変更したマニュアルを登録したい申請書の「変更」を選択します。

3ページ目に該当箇所がありますので、以下3点変更します。
①「その他のマニュアル」を選択
②「航空機標準マニュアルと同等の水準ですか。」 →「いいえ」
③「その他マニュアル名称」→「参照」ボタンより作成したマニュアルを選択

「いいえ」を選択している場合は〜 のテキストエリアには以下を入力しました。
・風速5m/s以上の飛行 ・学校や病院等の上空飛行 ・人または物件等の距離30m未満の離発着
最後に4ページ目で、「12.変更申請の申請概要を記載してください。」に入力を行います。

今回は以下のように入力しました。
ベースとしたマニュアル:「無人航空機飛行マニュアル(DID・夜間・目視外・30m・危険物・物件投下)場所を特定しない申請に適用」 変更点: 以下3箇所について条件緩和とそれに伴う安全対策の追加 ・「3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制」内 ①風速5m/s以上の飛行 ②学校や病院等の上空飛行 ③人または物件等の距離30m未満の離発着
申請直後は「審査中」となっているかと思います。

申請が完了するとメールが届き、「手続終了」になります。
一回で申請が完了しない場合、国土交通省からの補正指示がきますので、指示に従い修正しましょう。

今回は、無人航空機飛行マニュアルの条件緩和と変更申請方法について記載いたしました。
申請時のポイントをおさえてマニュアルを作成することで、効率的に申請できれば幸いです。
また、飛行させて大丈夫かな?
と少しでも疑問に思った場合は、国土交通省に問い合わせる、個別申請を提出することが大切です。
第3者の安全を確保することが最優先ですので、
その観点でドローンを飛行させましょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
他にもドローンに関する記事を書いてますので、ぜひご覧ください!
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